新潟で柏崎、燕三条、長岡、巻、西川、新潟、津南と連続上映していただきました。

柏崎はもうすでに書いたように世界最大の原発基地があるところです。巻町は住民投票で原発建設を

撤回させました。小さな町が原発をめぐって大きく動いたその過程はとても興味深いものです。

建設予定地はとっても青く透明な海がひろがる海岸でした。そのすぐそばのお寺で冬の1月と2月だけに

流れ着くというギンバサという海草をいただきました。これがとんでもなく美味で山盛り平らげてしまいました。今回上映に走り回ってくださった大西さんご夫妻がおっしゃるには女たちが変わったからだというのです。それまで家のおとうさんが、こうだ、というと家族はそれに従ってきたけれど住民投票の時、初めて

自分の意志で女たちが投票したんだ、そうです。それが原発白紙撤回の原動力になったのです。

西川町では50人近くの方が観に来てくださいました。小さな町でこんなに見にきてくださるなんて!!

皆さん口々に反対することがいか難しいか、六ヶ所の人たちの気持ちが痛いほど解るとおっしゃってました。

新潟の上映会では佐渡からいらした方が佐渡でも上映したいと言って下さいました。こうやって会場から

次の会場へと上映が引き継がれていくのは「ヒバクシャ」の時と同じです。輪が広がってゆく手ごたえを感じます。

最後は企画者、小木曽さんの地元津南町でした。なんと「ヒバクシャ」と「六ヶ所」の二本立てに私の話しが

加わって、延々5時間の長丁場に60人近くの人がお付き合い下さいました。すごい!!

ちょうど町は田植えで忙しい農繁期だったのですが、雨が降ったおかげでこんなに沢山来てくださったのです。農家のおばちゃんたちは菊川さんの草取りを見て、「あらあらあんなに雑草が、」と感想が出る。

苫米地さんの田植えや草取りを見て体がいっしょに動く、という感じでそれぞれが登場人物の生活に自分の生活を重ね合わせて見る、ということが行われていました。

だから、そこにある再処理事業がとってもリアルに感じてもらえたような気がします。


打ち上げはかやぶき屋根の小木曽家のいろりで竹炭で焼き物。一杯、が二杯、三杯と話しは尽きなかったのです。

参加者は例えば織物をしているMさん、三人の子どもがいる上野さんに生活がぴったりと重なって

いろいろと感慨が深かったようです。松本さんは元酒屋さんのお家を借りてご夫婦でつむぎを織っていらっしゃいます。草木染の色合いがなんともいえませんでした。

津南のおそばを何度もいただきました。そば粉100%の田舎風手打ちそばです。

有機農家のSさんに採れたてのアスパラをいただいて帰ってきました。濃厚な野菜の味がすごかったです。Sさんのおうちは名水竜ヶ窪からとうとうと流れ出る水路の二番目に建っています。その水を引き込んでヤマメを飼っています。

山荘の主人、紙漉き職人、どぶろくを作ってくれた人、村の音響屋さん、まあ多彩な人材が集った集まりでした。

映画の反響は、、、みなさんやって良かったと本気で言ってくださったのでホッとしました。

小木曽さんには一番気苦労をおかけしました。打ち上げで作ってくださったきのこ汁を私は3回もおかわりを

し、煮物に舌鼓。ああ、なんていいとこなんだろうと思うのですが、ここはここで過疎や積雪の問題を抱えています。そして水力ダムがあり、電力会社が元気な地域だから原発の事を話し合うのにも気苦労が。

それでも、映画を観ていただいて六ヶ所で起きていること、村の人々の暮らしの内実が伝わった手ごたえを

感じました。

映画は観ていただいてなんぼ、です。観客に届ける大変な仕事を各地でやって下さった、全ての方々に

暖かいご支援に心から感謝いたします。ありがとうございました。


kama