八戸の翌日青森から旭川に飛んで、北海道をまわって9ヶ所で上映していただきました。

お付き合いいただいたのは谷間のゆりさんこと谷百合子さんペンション

谷間のゆり 一緒に写っているのは彫刻家竹中敏洋氏の奥さん幸子さん。竹中さん亡き後のアトリエをペンションにしていらっしゃいます。室蘭の帰りに立ち寄り、一泊。地元の食材を使ったお料理が天下一品、お話もおもしろくて聞きほれました。本質をついた鋭い視点の持ち主なのです。故竹中氏の彫刻はここhttp://www.asahi-net.or.jp/~FL4H-OK/shakushain.html 左側に立っているのが谷さん。ミュージックセラピストです。もう20年以上原発の問題に取り組んでいます。原発だけではない、さまざまな問題にものすごく感性が豊かな、しかもスイートなキャラクターの持ち主です。谷さんの愛車で札幌ー室蘭ー苫小牧と走りました。



室蘭

これは室蘭でのスナップショット。右にいらっしゃるのが自然食品ぐりーんぴーすの店主、富盛さん。上映会は満員で富盛さんが

日ごろ築いている地域のネットワークの広さ、深さが思われました。若い人達も沢山、来てくれました。特に室蘭工業大学の学生がこの上映をきっかけにいろいろと動き始めたようです。わくわく。

画面の左にいるのが、その若者の一人!上映後は天然酵母パンをおやつに話が白熱しました。

自家焙煎コーヒーを入れてくれた

こちらは苫小牧の映画館。自家焙煎のコーヒーを淹れてくれているのは『えちおぴ屋」という名の自分のカフェの開店を控えた

倉田健也さん。良い香りがロビーに充満。この日苫小牧市はセクハラ市長が辞任し、次期市長選の立候補出馬表明の日でした。映画館、シネマトーラスhttp://www.dreamsite.ne.jp/user/taurus/  では唯一フィルムで上映していただきました。映画館ならではの映画に没頭できる雰囲気が良かったです。

ども

札幌に近い町、江別では喫茶と劇場とギャラリーが一体化した「ども」での上映。ものすごく熱意のある上映スタッフの方々が

会場を観客で満員にしました。「ども」が入っている建物は元郵便局だったとか。私よりずっとこの問題に関して歴史を持ったご夫婦が街の中に根付いて、独特の文化空間を創っていらっしゃいます。

すごいなあ、こういう場所がある地域って!

小樽港

こちらは小樽港、なんと上映会があった翌日、この港に米軍の空母キティホークが入るというので町は騒然。船体が323メートルもある空母は桟橋に横付けできないので縦に停泊するとか。港の入り口がとっても狭いのに無理やり押し入ってくるという感じ。上映はフリースクールが主催してくださいました。手伝いをする代わりに無料で観ることができる、と中学生が数人観にきて

くれました。その中の中2の女の子が、終わってから「ねえねえ、よくわかんないんだけど、結局どういうことなの?これって」

と言ってきました。私は「要するに大人たちが馬鹿なことをして未来を台無しにするかもしれないっていう話だよ」と答えると

「そうだよね!私もそう思ったよ」。彼女は翌日学校でキティホークを見学に行ったクラスメートがおもしろかったと盛り上がっているのに対して「私は見にいかないよ、だって人殺しのための船だもん」。言われた相手は、「そうなの、知らなかった、、、、」
幌延 牧場 利尻富士 numo

最後に幌延に行きました。

ここでは高レベル核廃棄物の最終処分地の実験が行われています。

見渡す限りの牧草地帯、運良く

利尻富士が見えました。手前に広がるのがサロベツ原野です。

この看板が実験施設のものです。

今、最終処分地の候補探しが行われています。ここ幌延では300メートルの縦溝を掘っています。幌延深層地層研究センター http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/kenkyu_syobun.html でも地質が植物が堆積した泥炭層なので柔らかい上に、地層と地層が出会う圧力がとてもかかる地帯だということがわかっています。掘られた縦溝から、岩石に含有されていた有毒物質が地下水といっしょに出てきています。それをなんと日本有数の水質がきれいな川、天塩川に流そうという

計画です。地元でこの施設を監視しているのが、本田さん。ここで生まれ育ったので地元の人しか知らないイトウが住む川や

北海道にしか生息しないサンショウウオの産卵地への影響を調査しています。本田監視員

六ヶ所村と同じで幌延には、反対する人はほとんどいないのだそうです。

心配しているのは隣接する市町村の

方々。

アメリカでは再処理しないのですが、

核廃棄物をやはり地下に貯蔵する計画がユッカマウンテンというところで進められています。ここは砂漠地帯で

しかも堅い花崗岩の地層に作っています。それでもいろいろ問題があるようなのですが、ここは泥炭層なので

もっと問題が多いはずです。

アメリカは地下水の上にある地層に穴を掘っていますが、日本は地下水の上にほれるのは唯一富士山だけだとか。


牧場の真ん中においしいチーズ工房を見つけました。「チーズ工房レティエ」


http://www.e-souya.org/~kuse/

チーズ屋さん


アイスクリームも人気で、ひっきりなしにお客が何もない牧場の真ん中の一軒の山小屋風のお店へやってきます。看板娘は大忙し。店主も反対する人達の一人。



おたまじゃくし

夕焼け
看板娘


幌延から乗った電車にはお座敷がついていました。同行の七尾さんはお酒が飲めないし、時間がなくて駆け込んだのだけど車内販売はなく、ああービールが飲みたいと叫んだら隣に座っていた方に、どうぞと缶ビールをいただいてしまった。レティエの看板娘さんが焼いたパンにクリームチーズをのっけて一緒にいただきました。天塩川ぞいに電車は走り、その手付かずの自然の景観をしみじみと堪能しました。アイヌの人々は神が毛皮をかぶって肉を届けに来てくれたと熊を殺す時にも畏れ多い自然に感謝することを決して忘れなかった。自然にこそ人は生かされているのに。

北海道で上映してくださった方々、観てくださった方が、ありがとうございました。旭川、帯広、函館、札幌のレポートができませんでした。またこんど追加しますね。


kama