自然エネルギーの可能性を提言し、エネルギー政策の転換を具体的に主張している環境エネルギー政策研究所から以下のようなコメントがありました。みなさんとシェアしたいと思います。

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7 JULY 2007

洞爺湖サミットの合意は気候変動を防止しない日本は大きな機会を逃した。洞爺湖に集う首脳たちは、本日、北海道洞爺湖サミットにおける気候変動のテ キスト部分について合意した。米国・ロシアの反対により全体合意ができなかった「2050年で半減」につい て、国連のプロセスに期待するとして、G8各国全体が合意を行ったことは、か ろうじて昨年のハイリゲンダムからの小さな進展である。しかし、そもそも、再度G8で、長期の目標についてこれだけ多くの時間を割い て議題として合意しなくてはならなかったのか。NGOだけではなく多くの国や国際機関が、より重要で緊急性の高い先進国の具体的な中期目標の発表が、特に日本に対してG8前に必要だと繰り返し求めたにもかかわらず、福田首相は頑としてその要請を受け入れなかった。どころか、 緊急かつ深刻な気候変動の影響を最小限に抑えるために先進国は2020年に 25-40%の削減が必要であるという、最新の科学的知見が示す数字ではなく、「実現可能性のある数字が必要」「できる可能性がある数字を述べる」などと 述べている。中期目標は、できる可能性がある数字ではなく、絶対にやらなくてはならない数字であり、果たせないとしたら、大きな自然環境の変化と経済 的損失と、多数の人々の生活や命に深刻な影響を及ぼす。

また、日本におけるエネルギー政策の失敗を反映し、気候変動政策の肝であるエネルギー政策については、低炭素社会へ転換するためもっとも重要な自然エ ネルギーの大胆かつ具体的な促進の合意はなく、「長期的に化石燃料への依存を減らす上での、重要な役割を認識する」という、とても弱い表現になってし まっている。

2050年には、G8に集う首脳たちはすでに首脳ではないし政治家でもないだろ う。ただし、もっとも損をしたのは、日本であり、福田首相は、気候変動を解 決する先鞭を果たし世界から評価され、日本の市民から歓迎される、という大 きな機会を失ったのだ。

まだG8は終了しておらず、明日は主要経済大国会合(MEM)が開催される。す でに大きな成果は期待できそうにないが、わたしたちは、サミットの終了まで 結果を見守ると共に、G8リーダーたちの最後の良心を期待している。


CONTACT: 大林ミカ
特定非営利活動法人環境エネルギー政策研究所
at: 洞爺湖・ルスツリゾート


kama