新しい年のご挨拶を申し上げます
2008年中は「六ヶ所村ラプソディー」をご支援いただき本当にありがとうございました。スタッフ一同、心から御礼を申し上げます。六ラプと愛称をいただいて、上映会数は500回を越えてもますます各地で観ていただいています。これも皆様の応援のおかげだと感謝しています。
六ヶ所再処理工場の状況といえば本来2008年中に本格稼動の予定だったのですが、大きくはガラス固化体=高レベル核廃棄物を製造する場所で問題があり、本格稼動は今年の2月ということになっています。しかし、ガラスと高レベル廃液を混ぜ込んでキャスクに流し込む場所が詰まってしまったり、それをかくはんしようとしたらその棒が折れ曲がってしまったり、その炉の天井のレンガが落下したり、しかももっとも解けにくい金属が入った廃液を本来混ぜるべきなのに、混ぜないでいたとか、さまざまなトラブルが続いています。高レベル放射性廃液はそばに行くこともできない非常に放射性レベルの高いものであり、溶液の状態で今、240立方メートルも溜まっています。溶液のままでは何かあったときに漏れると大変な事になります。だからこそ、ガラスに溶かし固めるのです。今、ある分だけでもガラス固化できると危険性も多少は少なくなるのですが、そこがうまくいけば本格稼動ということになります。なかなか難しい状況です。映画を作っている時は工場の建設費は2兆1800億円でしたが、最近の情報では2兆8500億円となりました。これらは私たちの電気代になってかえってきます。核燃サイクル計画が必要とする予算の大きさは本当にこのまま行くのか、行けるのかという議論が必要だと思わされます。

また、昨年から新しい作品に取りかかりました。スウェーデンと山口県祝島をすでに撮影しています。タイトルは仮に「ミツバチの羽音と地球の回転」としました。初心に返って作っていきたいと思っています。さまざまな価値観が問い直される時代に、私たちの選択のために、すこしでも足しになる作品にできたらと願っております。これからもどうぞご支援をよろしくお願いいたします。最後になってしまいましたが、皆様にとって、素晴らしい一年になりますようにお祈り申し上げます。


kama